プロローグ 危機管理大国ベトナム ~新型コロナ禍で、何故、ベトナムは世界最強だったか~

新型コロナ禍におけるベトナムの状況

2020年という年は、世界史に残る忌まわしい年であった。中国武漢から発した新型コロナウイルスが、世界を脅かしてパンデミックの恐怖を世界に広げ、世界のヒトの流れと物流に打撃を与え、経済に大きな損害を与えた。その経済損失は、1929年から1930年にアメリカ合衆国ニューヨークから広がった世界大恐慌に匹敵すると言われる。

世界大恐慌は、欧州の近代社会を終わらせ、第二次世界大戦という試練をえて、新たな現代という時代の幕をあけた。

新型コロナウイルスもまた、それに匹敵する大きな時代の転機を齎すほどの巨大な津波の発信源となるだろう。人類は、これまでに度重なるウイルスによる攻撃を受けてきた。しかし、新型コロナウイルスは、歴史的にかってなかった程のグローバル化した世界の中で起きたため、そのパンデミックの拡大は、人類が経験をしたことがなかったほどのダメージを世界の社会に与えたのだ。

これまで繁栄した企業が没落し、新型コロナ禍という激変した環境を生き抜いた新たな企業が勃興した。そして、おそらく、国家もまた、アフターコロナにおいて没落をするものと、勃興するものが現れるに違いない。

では、新型コロナ禍にあって、この新型コロナ禍を最小限に抑えた国々はどこだっただろうか?

その一つが、ここに特集をスタートするベトナムである。

では、ベトナムがどのくらい、新型コロナウイルスに対して強かっただろうか?

ベトナム 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)1日あたりの新たな感染者数推移
ベトナム 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)1日あたりの新たな感染者数推移

ベトナム 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)1日あたりの新たな感染者数推移

2020年12月14日現在のベトナムの新型コロナの感染者の総計は、1,397人。死者の総計は35名。
対する、同日までの日本の新型コロナの感染者の総計は、181,000人。死者の総計は2,481名と比較し、その少なさがわかるだろう。

ベトナムは、非常に新型コロナに強い国だったのだ。

危機管理に強い国家 ベトナム

では、ベトナムのこの新型コロナに対する強さは、どこにあったのだろうか?

結論から言えば、日本よりも非常に早く、かつ徹底した危機管理への対処にあったと言える。当初、中国の武漢で発症した新型コロナウイルス患者から、感染が広がりだした後、ベトナムは、いち早く、中国からの入国者を徹底的に制限。加えて、都市封鎖を徹底的に行い、新型コロナを押さえた。

この対応は、ベトナム戦争という、冷戦の代理戦争で国土に甚大な被害を受けたベトナム政府の、非常に厳しい危機管理意識の現れと世界的に評価を受けている。

そして、その結果、アフターコロナで、日本と最も早く人的な往来再開がスタートし、経済の飛躍的な復興を遂げるのが、ベトナムであることは、ほぼ間違いない。

世界的なグローバリゼーションの流れの中で、ウイルスなどの人類の経済に甚大な影響を与えるリスクは、新型コロナ禍がされば終わるわけではない。おそらく、今後も、新たなウイルスは、再来するだろう。

その時、国家の危機管理意識が、また問われるに違いない。

ベトナムは、その時も、おそらくまた、非常に強い力を発揮するであろうと予想できる国家といえそうだ。

特集 ベトナムに進出する

この、「特集 ベトナムに進出する」では、今後、更に日本からの海外進出先として、注目を集めるベトナムを、非製造業の進出を検討する企業の観点から、様々な視点で分析し、情報を発信する。

これまで、日本企業のベトナム進出は、製造業の中国に代わる進出先として注目を集めていた。今、製造業の進出が進み、今後は、サービス業や小売業、飲食業などの、非製造業の進出が、劇的に増えてゆくと予想される。勿論、それは、進出企業にとって、競争が激化することを意味する。

したがって、ベトナム進出を検討する企業は、できるだけ早く、正確な情報に基づき、具体的な進出のオペレーションを進める必要があるだろう。

この特集は、そのような日本の、とりわけ中小企業向けに、ベトナム情報をわかりやすく発信することを目的にスタートする。

続く

※この原稿のベースになっている新型コロナの情報は、日本がコロナ禍第三波の真っ最中にある、2020年12月15日時点の情報に基づいている。

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