シンガポールの食を楽しむ ~シンガポールリバーサイド・マリーナベイ・サンズをそぞろ歩く~

外食大国! シンガポール

シンガポールは、海外からの旅行者・ビジネスマンや投資家が集まり、そして、国民は夫婦共働きが殆ど。こんな人たちが、忙しく狭い国土を動き回る国です。

国民は、非常に高い教育を、激しい競争の中で受けてきた付加価値の高い人たちですので、女性が結婚して専業主婦になることは、ほとんどありません。

家事や育児は、国家の移民政策のもとで来星した格安の移民のメイドによって賄われています。

女性が家庭で家事をすべきだとか、男女が家事を分担すべきだ、などという、日本で行われている、経済効率性を無視した、無駄な議論がない国です。

そのため、休日も含めて、家庭の中で料理をし、食事をとるということが、まったく行われておりません。自炊という習慣が皆無の国家です。

従って、国民も、旅行者やビジネスマンと同様に、1日3食、すべて外食というヒトが、ほとんどです。

従って、日本企業で、家庭内の内食のための食材を、シンガポールで販売しようとする、頓珍漢な行動は、辞めた方がよいのです。

スーパーマーケットは、移民のメイドが買いに来るだけのところですから、高額なものや、珍しい商品は、全く売れません。

一方で、外食産業は、非常に発展しています。世界のあらゆる食が楽しめます。

今回は、そんな外食大国 シンガポールで、僕が仕事やプライベートで食べ歩いた食について、発信させていただきます。

ホーカーで食べ歩く

シンガポールの外食の代名詞であるホーカー

シンガポールの外食の代名詞である、ホーカー

ホーカーとは、シンガポールの屋台村のようなセンターのことです。

マレーシアに広がるシンガポール経済圏 ジョホール・バルの将来性は果たして? 

上記のコラムの中で、僕は、以下のように書かせていただきました。それを一部引用します。

当時、僕は、大学卒業後2年目の、24歳。日本の銀行系のシンクタンクの経営コンサルタント職にいた僕は、仕事で、シンガポール支店への出張がありました。・・・

30年前のシンガポールの中心地 シティホールは、まだマリーナベイ・サンズもなく、マーライオン公園では、夜には、屋台が出ていて、そこで、巨大焼き鳥を買って、屋外で飲めるような、今の摩天楼に囲まれたシンガポールからは想像もできない、「ほのぼの」したエリアでした。

これが、30年前のシンガポールの姿でした。

このように、シンガポ-ルには、もともと非常に屋台が多かったのですが、水不足の国柄、当時の屋台は、かなり衛生状態が悪かったのです。そのため、当時の屋台では、外国人や富裕層は、食事をとりませんでした。

1990年代の後半。政府の主導のもと、これらの屋台は、ホーカーセンターに纏められました。そして、当局の厳しい衛生環境基準のもと、外国人や国民の誰もが安心して、美味しいものを食べられるフードセンターに生まれ変わったのです。

チャンギ・ビレッジ・フードセンターや、マックスウェル・フードセンターなど、有名なホーカーセンターが誕生し、シンガポールの食の象徴のような施設に変貌しました。

今、仕事で、シンガポールに行き、社内のミーティングを行うとき、僕は、昼食時間を挟んで、スタッフと、様々なホーカーで待ち合わせをし、屋台気分の昼食をスタッフと共にしながら、打ち合わせを行ったりします。

さて、旅行や、出張でホーカーを訪問する際、ぜひとも知っておいていただきたい、ホーカー活用術があります(これらは、URVグローバルミッション・シンガポールで働く日本人女性の現地の皆さんから伝授された、受け売り情報です!)。

ホーカーでは、似たような商品を売る屋台が、いくつも同じホーカーの中に入っています。

一方の店は、1時間並びの長蛇の列ができていて、隣の店は、ガラガラだとします。
この場合、絶対、シンガポールでは、妥協して、ガラガラの店で買わないこと!

これが、シンガポールのホーカー活用の鉄則です。

シンガポリアンたちは、とにかく、食の情報に敏感です。美味しいと評判が出来た店が、どんなに並んでいようが、評判の悪い店で妥協して食べてしまうということをしません。

僕などは、熱帯の熱い中、延々と1時間近く並んで買うより、空いてる店で買っちゃえば・・・と、思ってしまうのですが、そうすると、シンガポール在住の女性スタッフの皆さんから、ダメ出しをくらいます(‘_’)。

それで、スタッフを、席の確保チームと、買いだしチームに交代でわけて、長蛇の列に並び、並びながら打ち合わせをする、といったやり方で、評判のよい店の美味い料理を食べます。

物価の高いシンガポールで、経済的に、美味いものを食べたい方は、ぜひ、ホーカーの人気店に並んで、食べ歩いてみてください。

シンガポールリバーサイドという、外国人の天国

シンガポールリバーサイド

さて、次は、シンガポールを訪問する各国の外国人ビジネスマンが、夜のシンガポールの食を堪能するエリアのご紹介です。

シンガポールは、もともとは、大英帝国の中華貿易の中間基地であり、現在は、アジア最大の金融センターです。近年、香港が中国本土に組み込まれる中、独裁国家ながら、高度な経済的自由主義を守るシンガポールは、外国企業や外国人投資家が、世界から集まります。

欧米人・中国人・インド人、そして日本人という、世界のビジネスマンの結集地であるため、外国人が楽しむエリアは、シンガポールで最も美しく、かつ、おカネが落ちるドル箱でもあります。

その代表格が、シンガポールリバーサイドに連なるお店です。

夜、シンガポールの摩天楼が光り輝き、その光が、シンガポールリバーに映ります。川面を渡る風が、熱帯の夜に心地よく吹き抜け、そぞろ歩きを誘います。

中華・欧風のバー・和食、世界の食の、様々な店が出ているエリアです。

店での飲食の料金は、シンガポールの中でも最も高く、このあたりを、夜、一人でうろついている僕は、シンガポール在住のスタッフのみなさんから、
「松本さんは、シンガポールリバーサイドで、いつも一人で呑んでいるらしい!」
と噂をたてられているそうです。

つまり、このエリアは、シンガポールのローカルの方は、ほとんど行かない、外国人のための高額エリアなのです。

外国人である僕らにとって、このエリアは、熱帯に広がる世界の金融センター シンガポールの雰囲気を最も楽しめる、外国人のための天国ではないかと、僕は思っています。

マリーナベイサンズの最上階で素敵な夜を満喫する

そして、外国人のための最高のスポットは、言わずと知れた、マリーナベイ・サンズ

日本人の方には、このホテルの最上階屋上のプールが有名ですが、このプールは、マリーナベイ・サンズホテルに宿泊しないと入れません。観光客の方は、ぜひ、マリーナベイ・サンズに泊まっていただきたいのですが、僕のように、しょっちゅう、シンガポールに滞在しているビジネスマンは、マリーナベイ・サンズに泊まって、遊んでいるわけにはいきません。

それでも、日本人のお客様をご招待する酒席の二次会では、マリーナベイ・サンズの最上階のバー 「セラ ヴィ シンガポール」を使います。

マリーナベイ・サンズの最上階のバー「セラ ヴィ シンガポール」からの景色

ここは、マリーナベイ・サンズに宿泊していなくても使えます。地上200メートルのマリーナベイ・サンズ最上階なのに、簡単な手すりしかなく、テラス席の店。日本では考えられせんが、超高層の最上階で、摩天楼からの風に吹かれながら、夜景を楽しむことができます。

店内は、創作料理のレストラン・スカイバー・クラブラウンジの3エリアに分かれていますが、僕は、ここにお客様を連れて行くときには、オープンラウンジのスカイバーに、午後5時から、スタッフに席取りをしてもらって、陣取ります。

シンガポールは、扇形のユーラシア大陸の、最南端の扇のかなめに位置し、マリーナベイ・サンズのスカイバーは、そのシンガポールから北に広がるユーラシアを睨みつける位置にあります。

そのスカイバーに陣取り、ゆっくりと暮れてゆく摩天楼を楽しみながら、シンガポールを代表するカクテル シンガポールスリングで、乾杯します。

そして、夜に始まる、光のショーを楽しみます。

マリーナベイ・サンズから放たれるビームが、シンガポールの夜空を自由に駆け回り、シンガポールをわが手に収めたような快感に浸れる、ダイナミックなショーが展開されます。

マリーナベイ・サンズの光のショー

マリーナベイサンズの光のショー
マリーナベイサンズの光のショー

チャイナタウン、アラブ・ストリート、リトルインディア エリアの食を堪能する

次に、シンガポールの街中を散策しながらの、食の探訪について書いて参ります。

シンガポールに限らず、海外の都市はどこでも、街のエリアが、人種や民族ごとに、居住生活区が、はっきりと分かれています。

シンガポールでいえば、次のように分かれています。

  • 人口構成で最も多い中国人(福建出身者が、シンガポールでは最多です)が住むチャイナタウン
  • 中東出身者が多いアラブ・ストリート。ここは、イスラム教エリアで、モスクを中心に街が構成されています。
  • インド系の方を中心とする、リトルインディア

このようなエリアがあり、そこに入ると、それぞれ、中華広東料理・ハラル料理・インド料理が、安く食べられます。お店は、少々汚いですが、シンガポールは当局の衛生基準が非常に厳しいので、これらの少し汚い店で食事をしても、お腹をこわすようなことはありません。

インドへ行って、街中の店でインドの料理を食べると、ほぼ間違いなく、お腹を壊しますが、シンガポールではそういうことは、まずありませんので、寧ろ、インドの現地の味のカレーを食べたいという方は、シンガポールのインド人の経営の店で食べる方が、インドで食べるより、よいかもしれません。

続く

本稿の著者

松本 尚典
URVグローバルグループ 最高経営責任者兼CEO
URV Global Mission Singapore PTE.LTD President

松本 尚典
  • 米国公認会計士
  • 総合旅行業務取扱管理者

米国での金融系コンサルタント業務を経験し、日本国内の大手企業の役員の歴任を経て、URVグローバルグループのホールディングス会社 株式会社URVプランニングサポーターズ(松本尚典が100%株主、代表取締役)を2015年に設立。
同社の100%子会社として、日本企業の海外進出支援事業・海外渡航総合サービス事業・総合商社事業・海外の飲食六次化事業を担う、URV Global Mission Singapore PTE.LTD(本社 シンガポール One Fullerton)を2018年12月に設立。
現在、シンガポールを東南アジアの拠点として、日本企業の視察・進出・貿易の支援を行う事業を率いている。

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