なぜか異なる、東京からチャンギ空港行き航空料金と、クアラルンプール国際空港行き料金
マレーシアは、ユーラシア大陸の南端 マレー半島の大半を占め、その突先でシンガポールという島国に隣接する国家です。
マレーシアは、インドネシアが大半を領有するカリマンタン(ボルネオ)島の北部にも領土を有していますが、その経済機能のほとんどが、首都クアラルンプールを含むマレー半島に集中しており、日系人の多くもマレー半島に住んでいます。
不思議なことに、日本から航空機でこのエリアに向かうと、ほぼ飛行距離が同じはずのシンガポール・チャンギ空港行きの航空料金が、マレーシアのクアラルンプール国際空港行きの航空料金より、はるかに高いのです。
日本国内では、JRの料金というのは、距離や席のクラスなどによって、しっかりと一律に決まっていますが、国際航空や外航船の世界では、サービスや料金が同じ距離でもまったく違います。
日本からシンガポールに行く方が、経済的に安く往復するコツは、クアラルンプール経由の乗り換え便で、シンガポールに入る方法です。
さらに時間がある方は、クアラルンプールから陸路で、シンガポールに国境を越えて入る方法をとることもできます。
僕は、シンガポールに現地法人を持ち、マレーシアのジョホール・バールにセカンドハウスと駐在員オフィス、クアラルンプールに駐在員オフィスを持っています。
その関係で、僕はシンガポールで仕事をし、そこから車でマレーシアの首都クアラルンプールに向けて、車で移動をすることがしばしばあります。
これだけで楽しい一つの旅行で、ビジネスの合間の気分転換に、経費削減をかねてゆっくりと車で国境を越えます。
今回のコラムでは、このルートの旅について、発信をしたいと思います。
シンガポールからマレーシアに、国境を超える旅をしてみよう
島国である日本人にとって、国境を陸路で超えるというのは、なかなか新鮮な体験です。
ユーラシアをはじめとする大陸では当然のことなのですが、日本人の場合、旅慣れた方をのぞいては、なかなか陸路で国境を超えるということはされないのだと思います。
僕は、アメリカで留学と仕事で12年間生活をしていました。
アメリカの場合、北はカナダ、南はメキシコと陸で接していますが、この国境を陸で越境する旅は、アメリカが移民に対して厳しい政策をとっているため、かなり緊張します。
一方、シンガポールとマレーシアの国境は、以前同じ国だったこともあり、非常に気軽に越えられます。
シンガポールとマレーシアの国境越えは、日本で例えるなら、東京湾アクアラインを通って、神奈川県と千葉県を移動するような感覚です。
コーズウェイ橋をはじめ、数本の橋がシンガポールとマレーシアを結んでいます。
シンガポール・マレーシア国境を超える
ですので、是非皆さんもシンガポールに旅行に行ったら、このマレーシアへの国境越を体験してみてください。
但し、県の移動と異なり、国境の移動は、その両端では法律も経済も制度も全く異なります。
女性の姿が全く違う
シンガポールでの僕の仕事は、URVグローバルグループのシンガポール現地法人 URV Global Mission Singapore PTE.LTD.が、マーライオンの真後ろの建物 ワンフルトン(1 Fullerton Road, #02-01 One Fullerton, Singapore 049213)に本社が入っている関係で、僕はシンガポールでは、主にシティホールで動いています。
URV Global Mission Singapore PTE.LTD.の詳細はこちら
URV Global Mission Singapore PTE.LTD
住所
1 Fullerton Road, #02-01 One Fullerton, Singapore 049213
事業内容
1 ASEAN経済圏に進出する各国企業の支援
2 ASEAN経済圏と各国の貿易事業
3 各国からのASEAN経済圏への視察旅行事業
会社概要はこちら
このエリアでは、中華系の女性たち赤道直下の南国らしく、超がつくほどのミニスカートのビジネススーツで、闊歩しています。
しかし、ここからたいして距離が離れていない国境をまたいでマレーシアに入ると、女性たちの姿は全く変わります。ミニスカート姿の女性は皆無となり、女性は、イスラム教の規律に従ったスカーフやヒジャブをかぶり、服装は固くなります。
物価も全く違う
物価もまったく異なります。
エリアの物価を最も忠実に反映しているといわれる、マクドナルドのビックマックが、シンガポールからマレーシアに入った瞬間に、価格が数分の1になるのを見ると、僕たちは東南アジアの地域間で、いかに経済の格差が開いているかを実感します。
加えて、イスラム教国で、中東の産油国との関係が深いマレーシアでは、自動車のガソリン価格も、シンガポールに比較して非常に安く、そのためシンガポールからマレーシア国境を超える車には、必ず一定以上のガソリンをいれていないと出国が認められません。
一度、僕もマレーシアのスタッフの車で、ガソリンタンクが半分以下の状態で出国を試みたことがありましたが、やはり、国境で追い返され、ガソリンスタンドを探すはめになったことがあります。
ポルトガルのオリエント攻略基地だった、マラッカに立ち寄る
ジョホールバルを更に北に進み、マラッカに向かいます。
マレー半島の南西の海岸に位置し、マラッカ海峡に面したマラッカは、大航海時代にアジアに進出してきたポルトガルの軍事貿易の要衝地として繁栄しました。
今は、経済の中心からは外れ、中国式のチェン・フーテン寺院や、ポルトガル軍のサンチャゴ要塞が残る、穏やかな古き良き港町になっています。
首都クアラルンプ-ルへ
マラッカからさらに、北へ。
マレーシアの首都クアラルンプールへ向かいます。
クアラルンプールの周囲には、深いジャングルが取り囲みます。クアラルンプール国際空港にたつと、遥かに広がる深いジャングルを臨むことができますが、僕はこのジャングルの中に通る道路を走るたびに、赤道直下の熱帯に来た実感がわくのです。
クアラルンプールは、クラン川とコンバック川が交わる街という意味で、「泥の河が交わるところ」という意味で名づけられた都市。
88階建てを誇るペトロナス・ツインタワーを中心とした都市です。僕は、現地の方との待ち合わせと打ち合わせで、ペトロナス・ツインタワーの中のバーをよく利用します。このバーからは、クアラルンプールの全貌の夜景が見渡せるとともに、ツインタワーのトップの三角のタワーを間近に鑑賞できます。
こうして、クアラルンプールに到着した夜をもって、シンガポールからクアラルンプールに移動する陸の国境を超える旅は終わります。
次のコンテンツでは、ディープなクアラルンプールの夜の情報を発信したいと思います。
続く
本稿の著者
株式会社URVグローバルミッション 代表取締役
URV Global Mission Singapore PTE.LTD President
松本 尚典
- 米国公認会計士
- 総合旅行業務取扱管理者
米国大手金融系コンサルティングファームにて、10年、金融系コンサルタント業務を経験し、帰国後、日本国内の大手企業の役員の歴任。
URVグローバルグループのホールディングス会社 株式会社URVプランニングサポーターズ(松本尚典が100%株主、代表取締役)を2015年に設立。
2018年12月、URV Global Mission Singapore PTE.LTD(本社 シンガポール One Fullerton)に設立。コロナ禍明けの2023年に、日本の中央区京橋に総合商社である株式会社URVグローバルミッションを設立。
現在、東京・シンガポールを拠点として、東南アジアからインドを中心とする南アジア、中東・アフリカにわたる、グローバルサウスへの貿易事業と、日本企業への視察・進出・貿易の支援を行う事業を率いている。
マレーシアには、シンガポールに隣接してマレーシア政府が推進するイスカンダル計画の拠点であるジョホールバルに個人で現地法人を所有し、首都クアラルンプールにて事業を展開するクアラルンプールオフィスを展開。
マレーシアで活動する日系商社に顧問先を持ち、広く日系・中華系・マレー系のマレーシア企業家とコネクションを持つ。