世界で、「お風呂を楽しむ」文化を持ったのは、ヨーロッパの原点の古代ローマ帝国文明と、日本文明だけであったそうである。
日本のお風呂を楽しむ文化は、世界でも非常に特徴的である。日本人は、古来より、身体を清潔に保つ、というお風呂の本来の目的を超えて、温泉を中心に、風呂を楽しむ文化を育んできた。
しかし、そんな日本の、現代の住宅を観ると、このお風呂を楽しむ文化の維持には、はなはだ心もとない。
狭いユニットバスの中での、シャワー中心の生活。
そんな現代日本人の生活に、お風呂を楽しむ空間を取り戻そうという理念で設立をされたのが、株式会社フリーバス企画である。
日本文化が育んできた、お風呂を楽しむ生活を提案するという想いを伺うため、東京世田谷区の用賀にある、フリーバス企画のショールームに、神俊行社長をお尋ねした。
本日は、世田谷区用賀にある、フリーバス企画のショールームにお邪魔しております。
とても、静かな高級住宅街の中に、ショールームをお持ちですね。

フリーバス企画のショールーム
神社長:ありがとうございます。
弊社は、専用住宅建築のお客様が中心なので、このエリアはとても便利です。
設備ではなく、「空間」を売る
さて、まず、神社長が、お風呂の専門企業を起業された経緯からお伺いしたく思います。
神社長:私は、大学を卒業後、住宅設備メーカーに入社しました。そこで、オーダーメイドの浴室に関する事業を担当することになったのです。
売上高は、そこそこ、いっていたのですが、ある事情から、その事業が閉鎖されてしまいました。
私としては、これはいけるのでは、と思っておりましたので、では、独立して、この事業を自分でスタートしようじゃないか、と考え、フリーバス企画を立ち上げたのです。
お風呂場というのは、住宅の中で、最も、プライベートな空間ではないかと思います。
リビングやダイニングは、お客様の目にも触れるでしょうし、キッチンは実用性という観点から、そこに、おカネをかける方は多いと思います。
一方、お風呂におカネをかけるというのは、究極の贅沢ですよね?
神社長:まさにその通りです。お風呂は、いわば、「超・プライベート空間」です。
誰にも邪魔されない、本当の「楽しみ」の空間です。
あの旅館のお風呂を、我が家に再現する
神社長:ある時、輸入住宅の大手メーカーの、スウェーデンの担当者の方が、日本の住宅を観て、「オフロが小さい!」というご意見を言われたのをお伺いしたんです。
日本は、本来、お風呂に関する特別な文化があったわけですが、今の日本の住宅は、単に、外国の考え方をいれているだけ。お風呂だけではなく、床の間などもそうで、日本の住宅から、日本のよさが消えつつあるわけです。
そんな日本の住宅事情に対して、私たちは、「世界に自慢できる場所」としての、日本のお風呂を創造し、発信したいと思っています。
御社は高級バス設備が商品ということになると思いますが、商品の特徴は、どのあたりになるでしょうか?
神社長:弊社の商品を一言で申し上げますと、オーダーメイドのユニットバスということになります。
自由設計で、お風呂の空間を演出するということですね。住宅設備ということよりも、「空間」を創出するところに、弊社の技術の特徴があります。
お客様は、コンシューマーユーザーが多いのでしょうか?
ビジネスユーザー、つまり、旅館などへのご提供はされておられるのですか?
神社長:現在は、ほぼ、個人ユーザー様へのご提案です。
新築案件と、リホーム案件が、50%:50%という状況です。
リホーム案件の中には、タワーマンションなどへのご提供もありますね。
空間の演出ということですが、どのような演出が、最も力量を発揮される案件でしょうか?
神社長:そうですね。例えば、すばらしい温泉旅館に行ってこられたお客様が、「あの温泉旅館のお風呂を自宅に再現したい!」というご要望をいただいた場合、弊社の力の発揮しどころですね。
ですから、和の演出などが、力の発揮しどころです。
色合いや、石や木などの自然素材を活用して、演出を行っていくという、あたりは、非常に得意ですね。
高級なイメージがある弊社の仕事なのですが、リーマン後も、受注を減らすことなく、安定的に仕事をさせていただいております。
海外に向けた、「お風呂を楽しむ文化の発信」
なるほど。
そうなると、やはり今後は、海外へのご提案。
外国人高所得者層向けの事例など、取り組むということになりそうですね。
神社長:今は、施工体制に満足な現地体制が出来ていませんので、まだ、海外へのご提供は、「夢」の世界です。
でも、ご指摘のように、弊社の商品コンセプトから観たら、やはり海外進出ということは、非常に魅力があると思っています。
素晴らしいですね。是非、日本が世界に誇る、「お風呂を楽しむ」文化を日本発のビジネスとして、海外に発信してみたいですね。
本日は、ありがとうございました。
神社長:こちらこそ、暑い中、ありがとうございました。
【インタビューを終えて】
設備ではなく、「超・プライベートな空間」を売る。
最近のインバウンドで、日本に渡航される外国人の方の旅行の仕方は、急速に成熟化しつつある。
爆買い目的や、団体ツアーでの旅行から、他の外国人が行かないところに外国人旅行者の方々が足を運ぶようになった。
このような外国人が興味を示す部分に、私たち、日本人が改めて、日本のよさを再認識させられることも多い。
神社長がご指摘になられた外国人の住宅メーカーの方の、日本の「オフロが小さい!」というご指摘は、本来、お風呂を楽しむ文化の元祖だった日本の住宅が、その文化のよさを忘れたことを、私たちに想起させる。
それこそ、トイレとお風呂が「不要な汚れを落とす」という共通目的のために、同じ空間に押し込められた欧米のスタイルを、スペースの合理性という理由だけで、私たちは受け入れてきたのだ。明治維新以来、日本人が自らのアイデンティティを喪失した反省を、私たちに迫る材料が、「お風呂」ではないだろうか。
私は、神社長のインタビューの中で、インバウンドで来日する外国人に向け、「よき日本の想い出」を、海外のご自宅のお風呂に再現するという、ビジネスモデルを、軽くご提案した。
神社長の目が輝いておられた。
フリーバス企画が、外国人の生活にも、日本のお風呂を楽しむ「超・プライベート」な贅沢空間の販売に成功され、そのソリューションを、更に磨きをかけられることで、日本の私たちにも、更に素敵なお風呂の楽しみを、ご提供いただける進化を遂げられることを、私は願っている。
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